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2015年10月例会『馬々と人間たち』

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解説

春から秋にかけてのアイスランド。
美しく雄大な自然を舞台に繰り広げられる、
〈人と人〉〈人と馬〉〈馬と馬〉の物語。

 昨年の7月例会『春にして君を想う』(1991)に続いてのアイスランド映画です。『春…』の監督はフリズリク・ソール・フリズリクソン、『馬々と人間たち』では製作に関わっています。製作者と監督ベネディクト・エルリングソンとの共通は舞台演出家です。演劇の舞台では表現できないアイスランドの風景を背景に、演技慣れした俳優たちと、自然に振る舞う(演じる)アイスランドの馬たちの絡みを、舞台劇のように演出しています。

春から、秋にかけての いくつかの物語
 アイスランドは緯度が高く冬は長い。喜びの春から白夜の夏、短い秋、そして、厳しい冬を迎えます。映画は「馬と人間たち」の人生のひと時を描いています。美しく、おかしく、突拍子もなく無謀である彼らの物語を次に紹介します。
 独身男コルベインは子持ちの未亡人ソルヴェーイグに惹かれ、彼女も彼に惹かれています。しかし、村中がこの恋の発展を興味津々で見守るなか、彼の美しすぎる牝馬は情熱的な牡馬の愛を受け入れます。主人たちの愛よりも先に…。
実は牡馬がアタックしても牝馬がその気でないと受け入れないのが馬の世界です。人間たちの場合はどうでしょうか、ラストの秋の日を楽しみにしてください。
 ウォッカを求めてロシアの船を追いかけ、冷たい海の中に馬と一緒に飛び込んだ男は、やっとの思いで酒を手に入れるが、船員からは「そのまま飲むな」と言われます。けれど、その言葉が通じず酒を飲む。その男の結末は…。
映画ではアイスランド語、英語、スウェーデン語、スペイン語、ロシア語、モンゴル語が登場します。「飲むな」といった言語はロシア語です。
 乗馬観光に参加した青年にあてがわれた老馬。疲れ切った老馬は皆から離れてしまいます。そして彼らに突然の吹雪が襲う。その危機に、青年のとった行動とは…。
 その行動は、残酷だと思う人も多いと思います。しかし、アイスランド以外でも多くある話です。
 この他にも人間と馬の物語が描かれ、春に放牧した馬を集める季節(秋)で映画は終わります。

アイスランド馬
 9世紀末にノルウェーから島国アイスランドに渡来して以来、アイスランドでのみ1100年以上も交雑することなく保たれてきた純血種です。アイスランドの人にとって家畜であると同時に家族や友人でもあり、時には恋人であったりもします。アイスランド馬以外の品種はアイスランドにはいない。アイスランドの人口は32万人、馬は約八万頭います。世界では約25万頭が飼育されています。ポニーよりは大きい馬です(詳細については「背景」をご覧下さい)。
 映画ではスウェーデン語を話す女性が出てきます。アイスランドには馬と働きたくてやってくる北欧やドイツ人が多いとのこと。ヨーロッパでは馬を飼って世話することはお金がかかり、お金持ちや貴族の人でしかできないからです。
今年4月例会『プロミスト・ランド』(2012年、マット・デイモン主演)では主人公がポニーより大きくて、馬より小ぶりの馬に関心を示します。その馬の姿は映画には出てこないのでどんな馬かは分かりませんが、同じ時期にこの2作品を観たこともあって、私はアイスランドの馬をイメージしました。
 さて、その馬はシェールガス採掘に反対する老人が飼育していました。彼は疲弊した町を、馬と町の人々が暮らすコミュニティにしたいとの夢を持っていました。馬との生活は幸福、平和を感じるからでしょうか。
 世界一男女平等で平和な国アイスランドと言われていますが、馬の存在が少しは関わっているかもしれません。

アイスランド馬の歩法
 映画の見どころは最初のシーンにやってきます。それは白い愛馬コルベインの疾走する姿です。普通の馬は常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、駆足(かけあし)の3種類の歩法を使い分けて移動するらしいですが、アイスランドの馬はトルトと側対速歩の二種類の歩法が自然にできます。4ビートのリズムを刻んでの歩法に圧倒されます。これは日本の馬関係者でも見たことがない人も多いと言われますので価値のあるシーンです。

感想
 ネットでは「なんて型破りな映画だ。開いた口がふさがらない!」、「可笑しすぎ! 狂ってる!」、「自然の中で繰り広げられる滑稽で残酷で美しい映画」、「音楽にケルトっぽさを感じたのは、スカンジナビア以外にアイルランドやスコットランドからも多く入植したことに由来するのでしょうかね」などの感想が述べられています。
※   ※   ※
 美しく、厳しい自然の風土の中で馬と共に暮らす人間たちの可笑しさを是非堪能してください。
 (滋矩)
「馬々と人間たち」 劇場パンフレットを参考

ひとくち感想

◎大変よかった  ◯良かった  ◇普通  ◆あまり良くなかった  ☐その他

自分の知らない世界があるのだと楽しく観させて頂きました。これからも良い映画を期待しています。(73歳 女)
馬がとても可愛くて、ダイナミック。終わりの方で「馬に危害は加えていない」とあったので、ほっとしました。反面人間は無骨でしたね。(73歳 女)
いろいろ馬のこと、その国の馬の文化がわかっておもしろかった。ただきれいな馬を殺さなければならない場面はショックでした。(70歳 女)
人と馬とのかかわりがもう少し解りかねました。(70歳 女)
人間より馬の方が多い生活。寒さからのがれる為に馬の体内に入ったのには驚かされました。馬の髪の色、目の色の違い、馬もステキだなと思います。アイスランドのきびしさと、おおらかさが私の胸に届きました。(67歳 女)
めちゃおもしろかった。(63歳 女)
アイスランド映画ということで興味を持って見ました。一寸おどろく様なエピソードと演出で、大変面白かったです。馬がイイ!(63歳 男)
アイスランドに行って、馬に乗りたくなりました。本当に馬と人が近いんですね。(61歳 女)
昨年末、元映で初めて観て終わった時には「よし!アイスランドに行こう!!」と思い立ち、今月6日から13日にかけて行って来ました。(祖父、母、私と娘)代々馬年で、馬には親近感があったので、軽い気持ちで観たのに、シンプルなストーリーなのに、色々な人間関係(馬との関係も)が盛り込まれていてすばらしい。心がとき放たれてニンマリ…。(60歳 女)
全く知らない世界で、映像も美しく感動しました。人間を人としてではなく生物としてとらえた作品のように感じました。(57歳 女)
すごかった。あんなにたくさんの馬、見たことない!(53歳 女)
馬好きなので、たまたまチラシを見て来ましたが、たいへん良かったと思います。音楽、言葉、あまり見たり聞いたりしたことのない、映画でなければ味わえないものでした。アイスランドへ行ってトレッキングしてみたいです。(53歳 男)
はじまりの馬の小気味よい足音から引き込まれました。私には考えられない暮らしの環境で、言うのも何かそらぞらしいのですが、生活するということが、とても力強く感じられて、見終わって、すっきりとした内容でした。(45歳 女)
村とも言えない?小さなコミュニティでの出来事。素晴らしい映像です。使われている音楽がまたすごくいいです。でもこんなストーリーでよくまとめようと思ったもんですね。このすごい映画に出資した人々こそほめるべきかも。
言葉もわからないし、(英語とスペイン語はわかったけど…)フィクションとノンフィクションがよくわかりにくかった。なれればおもしろかったです。馬と人のありのままという映画。(女)

日本のような農耕民族とは全く次元の異なる狩猟民族の世界。このような映画を見ると現実の世界に引き戻される。小泉、安倍総理のように狩猟民族の末裔であるアメリカ一辺倒で日本の未来は大丈夫だろうか。平和之法は農耕民族の日本だからうけ入れられた。争いのたえない今の世界。農耕民族の発想でないと世界の未来はない。(80歳 男)
作品背景によるとアイスランドというのがあるそうで、どの馬もたくましく美しいのはいい。馬のひとみに写る人間たちの模様がおもしろい。しかし、ルールをはずしたから(白馬は)殺されてしまうのか。次々とあれだけの人間がすぐ亡くなってしまうのか。理解に正直くるしむ。アイスランドに今も馬はたくさん存在するのか。(74歳 男)
馬との共生というか、きびしい営みと喜びが、わかるようで、びっくりポンです。(74歳)
自然の中での生活感が日本では感じられないカンセイで息づいている事を生で考えさせられた。(71歳 女)
描写が自然で、根源的で作り話しの要素が少なくて良かった。(70代 男)
アイスランドを中心とする人と馬のかかわりを知って、興味深かったです。大自然、馬の表情、走り方、等々映画でしか味わえない点です。しかし人間の方が馬に対していささか勝手すぎると思うのは日本人だからなのでしょうか。(68歳 男)
えっ、もう終わり? もっと馬を見ていたかった。人と馬とが素直に生きている世界でした。何か心が安まりました。(66歳 男)
馬大好きの私にとって見ごたえあり、アイスランドの自然の中で馬、人間のいとなみ。動物と人間の映画をもっと見たい。(65歳 女)
酒とのぞき見が主体の生活のような、馬が主役で人間がワキのような毎日ですが、子供のような愛馬の不貞に対する厳しいケジメ…。そのくせ馬の前でLove Loveしている人間。あのような生活…人生が、同じ地球上にあるのですね。この映画は今日で三回目なので、余裕で楽しみ、軽速足は昔信州で楽しんだ乗馬を思い出しました。(61歳 女)
馬年のわたしとしては、とても美しい馬たちと人々との物語でとても不思議でした。おもしろかった。人それぞれ馬とのかかわりかた、でもやっぱり男と女。大自然の中でこその馬の姿でした。アイスランドらしい日本人の文化のちがいを感じた。(61歳 女)
馬の目がクローズアップされる度に「隣の人間たちはなにをしているのか」というつぶやきが聞こえてきます。軍隊をもたないアイスランド、その田舎だからでしょうか、あっけなく人が死に、争い事があっても、のんびりとした自然の流れのように思ってしまいます。(59歳 男)
乗馬をしているので来ましたが、少し刺激の強いシーンがあり、気持ち悪くなってしまいました。帰ってゆっくり、パンフレットを見せていただきます。(56歳 女)
最後の方の男と女がアレをするシーンには何とも言えなかった。あれで、あの男女と馬々が活き活きとした感じになったのがよかった。(54歳 男)
白い馬を殺してしまったのが、かわいそうで。よっぽど大切に思っていたのでしょう。自然が素晴らしかった。(52歳 女)
見てよかったけどあまりにも自分とかけはなれた生活で感情移入するところは見つけれなかった。ただ違う生活をちらっとのぞけてよかった。(48歳)
淡々とアイスランドの荒野でくり広げられる人と馬の話が激しさを持ちながらせまってきた。なんとなく四コマまんがを読んでいるときのような気分になった。(33歳 女)
ある意味、すべてを馬にもっていかれた映画。圧倒的な馬たちを前に言葉が見つからない。(26歳 男)
自然の中での人間と馬。日頃の自分の悩みの小ささに気づきます。何とか会員増をと願っています。
一番初めに出てきた白馬がとても美しかった、なのに殺してしまうなんて…。男の子の方もバツをうけるし、時として「ルール」はつらいですネ。エピソードのすべてが、アイスランドで本当にあったことである、ということにもおどろいた。自然がとても美しく圧倒された。

友人にさそわれて来ました。パンフレット色々頂きましたので我が家でゆっくりと見て参ります。(78歳 女)
なぜ交尾した馬を殺さなければいけなかったのか?等、いろいろこの国の情勢とか、上映前に説明がほしかったです。(60歳 女)
人と馬とのふしぎ?かわった?映画でしたね。アイスランドの自然と馬が人間にとって欠かせない関係なのだということは伝わってきました。国や風土が異なり、社会のあり方も異なり、日本とはまったく異なる世界を感じた。(60歳 女)

率直にいえば、あまり見たくない映画。馬と共に生きる人達をえがいたということか。それでも、それにしてもなにか…。あのおじょうさんが、馬をつかまえたところは、もし、牧場に生きる人としたら、たくましいと思う。(65歳 男)

アイスランドの人の生活にこれほど馬が根付いているとは思いませんでした。(60歳 男)
何とも言えないです。予備知識が少ないせいもあり、土地柄のせいか、日本人には(私には)簡単に理解できない感覚ですね。人も馬もシンプルに濃密に生きてるということ? 音楽も人の声を生かした力強いシンプルな曲でした。世界は広いということと理解しました。(60歳 女)
大変勉強になりました。(56歳 男)

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