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2020年12月例会『ハード・デイズ・ナイト』

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https://www.youtube.com/watch?v=3M7tgj0UyFE

解説

モノクロ映像に焼き付けられた 弾ける魅力&珠玉の楽曲
ザ・ビートルズ、色褪せることなき 輝きのとき

 2017年夏、神戸アートビレッジセンターに例会場を移行して2回目の9月例会で、ロン・ハワード監督の『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK』(16)を上映しました。各回百人超の場内では、曲に合わせて口ずさんだり、足でリズムを取ったりしている人も多く見受けられ、まるでコンサートを疑似体験しているような高揚感がありました。
 『ハード・デイズ・ナイト』は、1964年に公開されて以来、いまだ音楽映画の傑作として語られるザ・ビートルズの初主演映画です。旧邦題『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』をつけたのが当時配給会社にいた水野晴郎氏というのも有名な話ですが、昨年、初公開から五五周年ということでリバイバル公開されました。

【ストーリー】
 常に熱狂的なファンに追いかけられながら、コンサート会場とホテルを移動して仕事をこなすザ・ビートルズ。今日も追いかけて来る熱狂的なファンの群を振り切り、列車に飛び乗るとポールの座席には、なぜかポールの祖父が座っていた。仕方なく行動を共にするが、祖父の悪戯でトラブルが続出。リンゴはそそのかされ、公開テレビ番組での収録があるにもかかわらず、カメラ片手に街に飛び出してしまう。本番まであと数十分、ジョン、ポール、ジョージの3人は、戻ってこないリンゴを探しに行く。本番まであとわずか、果たしてビートルズの4人は無事ライヴを行うことができるのか…。

遊び心ある演出&映像
 世界的な成功を手中に収める直前、ハードなスケジュールをあわただしくこなしていくザ・ビートルズの一昼夜。当時20代前半だった瑞々しい4人が画面で弾んでいます。鋭い感性に豊富なウィット、そして反骨精神に溢れるジョン。甘いマスクにチャーミングな雰囲気と裏腹に、器用なしっかり者のまとめ役ポール。一見素朴で控えめに見えながら所々に尖った皮肉屋の一面を覗かせるジョージ。穏和で剽軽なムードメーカー、しかしその裏に最も繊細な内面を隠し持つリンゴ…(所謂パブリック・イメージかもしれませんが)それぞれのキャラクターが、テンポ良い演出の中で鮮明に浮かび上がっています。その彼らの後を追いかけ、ツアーに同行するカメラ映像は、楽屋にお邪魔したような気分を味わえます。
 冒頭から遊び心満載な映像には、列車の個室やホテルのバスルームなどの鏡やモニター画面が効果的に使われており、カメラワークに注目してみると、4人の「脱走」―階段を駆け下り、路地を疾走、空き地ではしゃぐ―シーンで、地上のみならず、上空からの大胆なカットを入れて、解放感溢れるものとなっています。一方、4人が警察官に追われるシーンでは、サイレント映画のようにカメラを固定して撮影し、ドタバタ感が演出されています。

英国気質コメディ&熱いライヴ
 アメリカからイギリスに渡ってピーター・セラーズなどの短編コメディを作っていた監督のリチャード・レスターは、脚本のアラン・オーエンとともに、アメリカでそれまで量産されていたミュージシャン映画のメロドラマといったスタイルを踏襲せず、イギリス気質のあるコメディ作品にしようと考え、ビートルズがビートルズ自身の風刺劇を演じるという作品となりました。4人は演技というより本人としてさらりとカメラ前にいる感じで、マネージャーのデコボココンビと、怪しさ溢れる「ポールの祖父」が活躍(迷惑?)します。
 演奏や取材、撮影等々に追われ、ファンや記者に追いまくられ外出もままならない日々に閉塞感を抱き、また、さまざまに関わり合う大人達に対して違和感を抱いている四人の本音を代弁するように、「祖父」が「移動とホテルの往復ばっかり。こんな生活耐えられない!」と愚痴り、そして、「お前そんなんでいいのか?人生を楽しめ」とリンゴをそそのかすのです。
 拗ねた演技が絶賛されたリンゴの外歩きのシークエンス、そして公開ライヴへ―。客席には4人を「追っかけ」、熱狂するファンたち。エキストラで集まったのでしょうが、現場の熱量は如何ばかりだったか。興奮した女の子の頬や鼻の頭が赤らんでいるだろうとモノクロ画面でもわかります。映画がコケた場合を考えて低予算のモノクロ撮影となったそうですが(結果は大成功)、今や、演奏される楽曲の数々とともに、古典的な趣さえ楽しめる、色褪せない一遍となっているのです。
 ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ、スーツ姿の4人が仲良く奏で、歌い、弾ける。世界のアイドルの輝きの瞬間(とき)を焼き付けたスクリーン。ドキドキ、ワクワク、またはしみじみと見つめながら、珠玉のビートルズ・ナンバーに浸りましょう。
(ゆ)

【全編に流れるビートルズ・ナンバー】
本作での使用楽曲は、ジョージ・ハリスン作「ドント・バザー・ミー」を除き、いずれもレノン=マッカートニー作。
下記※印4曲を除くすべての楽曲は映画と同名のサウンドトラック盤に収録されている。
ア・ハード・デイズ・ナイト(A Hard Day’s Night)
 ヴォーカル(以下V):ジョン・レノン(主部)、
 ポール・マッカートニー(中間部)
恋する二人(I Should Have Known Better)
 V:ジョン・レノン
アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン(I Wanna Be Your Man)
 V:リンゴ・スター
 ※イギリス盤公式アルバム2作目「ウィズ・ザ・ビートルズ」収録。ローリング・ストーンズに提供した曲
ドント・バザー・ミー(Don’t Bother Me)
 V:ジョージ・ハリスン
 ※上記アルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ」収録
オール・マイ・ラヴィング(All My Loving)
 V:ポール・マッカートニー
 ※上記アルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ」収録
恋におちたら(If I Fell)
 V:ジョン・レノン、ポール・マッカートニー
キャント・バイ・ミー・ラヴ(Can’t Buy Me Love)
 V:ポール・マッカートニー
アンド・アイ・ラヴ・ハー(And I Love Her)
 V:ポール・マッカートニー
すてきなダンス(I’m Happy Just To Dance With You)
 V:ジョージ・ハリスン
リンゴのテーマ(Ringo’s Theme)
 ※ジョージ・マーティン(プロデューサー)によるオーケストラ・アレンジ版。
  アメリカのサウンドトラック盤「A Hard Day’s Night (United Artists)」収録
テル・ミー・ホワイ(Tell Me Why)
 V:ジョン・レノン
シー・ラヴズ・ユー(She Loves You)
 V:ジョン・レノン、ポール・マッカートニー
 ※オリジナル・シングル4枚目

ひとくち感想

◎大変よかった  ◯良かった  ◇普通  ◆あまり良くなかった  ☐その他

若いという事は良いことです。老人は体が動かない分、口で勝負しようとする。反省。(79歳 男)
大変良かったです。ビートルズの良さ(楽しさ・明るさ)がわかりまして。56年間かかりましたが。(73歳 男)
歌に英語に、リズムに酔いました。若い時に瞬間ひたりました。若いのはええなあー。映像はいいね。(73歳 女)
とても良かったです。当時を思い出しました。私はどちらかというと、プレスリーファンだったけれど、ビートルズのやさしく楽しい音色の音楽はとてもグッドですね。当時の若者は現代の若者より大人っぽいと思いましたね。楽しい時間をありがとう。(72歳 女)
ビートルズ旋風、なつかしく、あの時代、あんな日だったのか。私もその一人だった。(70代 女)
初公開から55周年か〜。でも、そこには古めかしさはなく(若い人が見たらどうなのかは知らない)、ザ・ビートルズ4人の「色褪せることなき輝きのとき」(会誌の見出しの言葉借用)があった。ジョンが、ポールが、ジョージが、リンゴが、若い!輝いている! 遊び心ある演出を楽しんでいる。いじられてすねるリンゴが可愛い。ポールのおじいちゃん(?)も笑わせてくれた。そしてなんといっても、数々の懐かしい楽曲!…帰る道々、私の頭の中で彼らの音楽が流れ、鼻歌で流れたのでした。理屈抜きで楽しめるこんな映画も時々あるとうれしいですね。(69歳 女)
ビートルズの音楽は今聞いても新鮮だ。(69歳 男)
最高でしたね。はちきれんばかりのビートルズの映像と青春の思い出の音楽。若いってすばらしい。流行をつくっていく4人の姿。ファンの熱狂ぶりはいまでも同じですね。(66歳 女)
熱狂の中の60年代を堪能しました。詩も曲もストレートで「しみる」の一言。未来を信じられた時代のエネルギーがすごい。今、21世紀はどこに行くのか? 不安の時代との対比を考えながら、たのしみました。(64歳 男)
ビートルズに愛されたリッケンバッカー(ギター)。とっても楽しいひとときでした。(63歳 女)
知っているつもりでしたが、改めてじっくり聴かせて頂くとビートルズのすごさをおもいしらされました。(61歳 男)
知らない時代(リアルタイムで)なので楽しく見れました。(59歳 女)
久しぶりに見た映画でしたが、何度見ても面白かったです。モノクロの良さがあふれる作品でした。(20歳 男)
楽しかった。
この中の二人がもうこの世の人じゃないなんて悲しいです。若いですね全員。今の「××ファースト」やコロナの世の中をジョンやジョージは何て言うかなっていつも思います。(女)

ビートルズを追っかける女の子たちの脚力!! 叫び、泣き、感動するエネルギー。コロナ禍の今、その熱量に圧倒されました。(78歳 女)
あの曲はあんな意味だったんかと、分かったのがよかった。昔を思い出させてくれた。キャーキャー叫んでいた娘らもみな70代!(76歳 男)
ビートルズに熱を上げた中学生時代を思い出しました!「イエスタデイ」が好きだったので、きけなくてとても残念でした。(70歳 女)
中学生の時に味わったドキドキワクワク気分に、半世紀以上の時を経て再会させて頂きました。でもコレは、あの頃単純に喜んでた「ビートルズ映画」じゃなくて、良くも悪くも、ひねくれ監督リチャード・レスターの映画だということを認識しました。「世紀の超アイドルを使ってキーストン・コメディをやりたかったんだ」というレスターの言葉をどこかで読んだ気がしますが、当時まだ新進のレスターでは、やっぱり力足らずの空滑りなのは仕方が無い。でも、それも含めて愛すべき快作です。トラブルメーカーのポールのおじいさんが、警察署で、自分がアイルランド兵であったことを明かし、突然、そのアイルランド軍歌らしきものを歌い出すくだり、何か深い意味があるのかと、少し考え込んでしまいましたが、ちょっと謎。(69歳 男)
子どもの頃に封切りとなった映画で、兄は見て喜んでいましたが、私はやっと五〇何年ぶりに初めて見ました。面白い作品でした。(69歳 男)
私の世代はビートルズ全盛期に青春時代で、彼らのファンは多いだろうが、私は関心がなかった。後年「イエスタデイ」「レット・イット・ビー」とかを知ったぐらいだ。だから懐かしさはない。彼らがアイドルのような若い女性に大人気なのにおどろいた。なにより、こんなストーリーもよくわからない映画をつくっても受けるのにはおどろいた。(64歳 男)
久しぶりにビートルズの映画が見られてよかった。応援上映があっても楽しいと思う。(62歳 男)
私が洋楽を聞きだした頃は、ビートルズはそれぞれの考えなどで、レコーティング以外は行動が別々で、あんなに若い可愛い笑顔はあまりなじみがないです。でも歌は(曲は良いけれど)このコロナ禍(密を避ける毎日で)愛~恋~と唄われるとかえって空しくなってしまいます。ビートルズを見て淋しくなりました(笑)。早く落ち着いた日々が戻ってほしいですね。会場一杯で大騒ぎができるような・・・。(60代 女)
映画は良かったです。知ってるビートルズナンバーが聞けて。始まる前に、何も置いてないのに座ろうとしたら席をとってますと言われたのにはムカつきました。その席には誰も座ってなかったし。(59歳 女)
あまりにも有名なこの作品を実は見た事がなかったのですが、彼らの人気ぶりとやんちゃぶりを楽しめました。(53歳 女)
アメリカに行く前のまだ本当に若くてカワイイ男の子たち。ポール・マッカートニーなんて「ポーリー」なんて呼ばれてる!! イギリスの古い価値観をぶっこわして世界に出ていく4人のすばらしいタレントがスクリーンに映し出されている。それにしても楽曲の入れ方がウマイ。(女)

うーん、いい映画と言われると、Noといってしまう。音楽はいいけど、まじめ(?)な私は、世間をさわがせる内容が気に入らない。でも音楽家?芸人(?)としての苦労がわかるような内容だった。歌詞が女の子をよろこばせ、リズミカルなのが音楽的にはいいと思った。(75歳 女)
映画としておもしろいかと聞かれたら「?」だが、ビートルズという大スターが演技しているということで、おもしろかった。音楽も楽しめた。(57歳 女)

最後のステージの場面だけは良かったけれど、そこに至るストーリーは決して心地よいものではなかった。ビートルズファンだったらこれで許されるのかな、と考えてしまう。(73歳 男)

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