機関誌6月号 通巻786号より

◎大変よかった  ○よかった  ◇普通  ◆あまりよくなかった  □その他  

◎女医さんがほんの日常生活の手違いから自責の念にかられ、その誠意で殺人事件を解決する、すばらしい生き方である。そういう生き方が失われていく今、日本でこういう人が欲しい。(77歳 男)
◎事件とは別に、ベルギーでの医療のやり方が(例会紹介を読んでいたこともあり)興味深かった。(73歳 男)
◎この間、『パターソン』を見て、ゆっくりというか静かな映画の見方を学びました。じっくりと当事者たちの心理や関係を考えさせられました。ヨーロッパの国の事情も考えさせられました。メルシー。(73歳 女)
◎こんな誠実な女医さんがおられるんだと感動します。人は各々な思いで人生しているんだ…と思わされました。あの少年はどんな大人になっていくのだろう? と少し不安な思いをします。(72歳 女)
◎二度見でした。最初から最後まで、よく練り上げた作品だと感心します。私には最後の抱きしめる場面がよかった。(71歳 男)
◎最初はサスペンスかとハラハラして犯人さがし…ラストは大変「感銘」を受けました。「ひとりの人の名前」は「ひとりの命」と同じく大切なものと教えていだだきました。(70歳 女)
◎女医さんの自分の良心への痛みを伴うこだわりが、多くの人の心を助けました。警察には決してできないことです。(68歳 男)
◎いわゆる「劇伴」は勿論、生活環境の中で聞こえてくるものも含め、患者が主人公のために歌った「バイバイ・ドクター・ジェニー」を除いて一切の音楽を排除して積み重ねられる描写はまるで往年のロベール・ブレッソンを思わせるような、沈み込んだ重い凄みで迫って来る。それにしても『希望のかなた』『ジュピターズ・ムーン』『はじめてのおもてなし』『わたしは、ダニエル・ブレイク』と、今のヨーロッパを語るためには「難民」は絶対に欠かせない大きな要因であることを改めて痛感。死んだ少女の名がフェリシ・クンバということが明かされた時、「わたしはフェリシテ」というセネガル映画を思い出してしまった。「フェリシテ」は「幸福」という意味だったが…。タイトルは原題の「身元不明の少女」の方がピンと来ますね。(66歳 男)
◎人の生死に、これからも多くかかわるであろう医師として、名前も(生前中のさまざまなかかわりも)わからないまま、自分とのかかわりを持つ前に死んでしまったことに引っかかったのか。最後にほんとうの名前(偽造旅券のでなく)がわかってよかった。人が名前もわからないまま、この世から失われてはならない。「私たちの中に生きている彼女の声…」そう、死者は訴えていたのですね。(66歳 女)
◎一日の激務を終え、その日泡を吹き痙攣する少年を前に動けなかった研修医に、「患者の痛みに入り込み過ぎぬよう」と注意する女医。彼が取り乱して出て行こうとするのを止める最中、忙しく鳴った時間外のブザーに対応する余裕はなかったが…。翌朝、遺体で発見された少女の助けを求める姿が防犯カメラにあり、茫然とする。研修医も医学を断念し、彼女は二人の人生をへし折ったような強いショックを受ける。あの時、インターホンで「助けて!追いかけられているの!」という叫びが聞けたなら。モニター画面で切迫した様子が見られたなら、せめてブザーの意味を確かめていたら。すぐ少女を救いに飛び出していただろうに。余裕のなさ、情報の少なさで、SOSに気付けなかった。又、林業を手伝う研修医から、父から受けた虐待によるのと同じ症状を少年が呈していた事を聞き、医者の一般的な心構えを教えたつもりが、彼の医師になる希望を打ち砕いていたことを知る。人の理解し難い、或いは違和感のある言動には、自分の経験、知識、判断力、心の優しさなどの限界を自覚しつつ向き合わねばと思う。少女の身元や事件の真相を懸命に調べる女医の真摯な愛の姿に、関係者たちの口が徐々に開かれ、少女は名前を取り戻し、事件の概要が判明する。研修医も、彼女の理解(多分謝罪も)と励まし、人を大切にする姿勢に心を打たれ、過去を乗り越え、医者に復帰する。人の悲しみや苦しみ、SOSをきちんと捉え、人々が互いに理解し合い、大事にし合う世の中になったら、と思う(62歳 女)
◎少々(大変)危なっかしい女医先生のたんていごっこはいつ終わるのか、ドキドキしました。ベルギーで有名なのはワッフルにチョコ、それに名探偵ポワロ! それ以外のベルギーをみせてもらいました。ありがとう。またよい映画をよろしくお願いします。(女)
◎ダルデンヌ兄弟監督が今回、私たちに問うたのは働くこと。人間が働くことでの持たねばならない正義とか、見過ごしてはならないものとか、でも忙しいと思ってしまいスルーしてしまう小さなこと。決して誰からも責められることではないけど、妙にひっかかってしまうこと。それが何なのかと。この作品で人間の内部、体幹に正義をいかにして育てるかを語った凄い作品でした。2017年ベスト5からは外したけど。(男)

○診療所でなければ、診療所の医師でなければ、知ることのできない数々の内容を描いていた。つらいことが多い中で、研修医の新たな決意等、ほっとする場面もある。女医のジェニーはさわやかだ。(76歳 男)
○なかなかミステリアスな内容でしたね。日本とベルギーの医療の違いが少しわかりました。(70歳 女)
○なかなか意味深な内容だった。医者のジェニーが新しい職場をすててまで、一人の少女のことがきっかけになったことにびっくりした。ていねいに、ひとつひとつときあかしていく中で真実があらわれてきた。人はみな心にはおいておけない事実なのだ、と思った。(64歳 女)
○音楽なしもよかったです。自然な音だけで、また、クールな医者が成長していくところもよかったです。(66歳 女)
○テレビの二時間サスペンスみたいな話をストーリーではなく、人物をみつめることで描いた作品。(63歳 男)
○殺された人が自分の断った急患の患者だけに、事件に関わる気持ちはわからないではないが、あれはプロなる刑事に任せておくべき。(56歳 男)
○一つの事件をきっかけに医者として、それ以上に人間として深みを増していくヒロインに、心を打たれ、もう一回観たいと思っていたので、今回は充実したひとときでした。でも、怖い人々に囲まれ、味方がいないのにいつもキリっとして、頭が高い位の堂々とした態度は見習わなくてはと思います。又、あの医療体制は良いですね。日本は病院で検査して、なしならパス。何かあれば入院手術と・・・、費用ばかりがかかります。そのくせ日常生活の小さな痛みは一切見ようとしない。ある意味、日本の医療は後進国以下だなと、素敵なアデル先生をみながら、思いました。(女)
○映画の中の女医さんの様に主演の女優さん映画を通して成長したんじゃないかなぁと思いました。

◇今、フランス語を勉強していますので、勉強になると思って来ました。しかし、あまりにも早口なので、ほとんど聞き取れませんでした。又、今後はコメディのフランス映画を見たいと思います。(59歳 女)

□ジェニーのやさしさ、医師としての良心が全編にわたって展開していた。自分の一瞬の判断で少女を死に追いやってしまったという思いが、ジェニーを、せめて彼女の名前、素性を明らかにしたい、という行動に駆り立てる。結局は社会の底辺に生きる平凡な少女の不幸な死であったが、この事件を体験したジェニーはまた一段とすばらしい医者になっていくように思う。(62歳 男)